長崎新聞の記事より。
政府が、後継者がいない中小企業の株式を一時的に地銀が買い取り大株主になることを認める規制緩和策を検討しているとのこと。
銀行法により銀行は企業への出資を5%までと定めているので、これを緩和しようということである。
最近では、主としてM&Aで後継者のいない中小企業の承継先を確保する動きが出ていますね。大手M&A仲介会社では俎上に乗らない小規模の中小企業は、県の事業引継ぎ支援センターなどの支援を受けて、売り先か後継者を探すということも行われています。
しかしながら、この地銀による一時的な中小企業の買収が可能となる規制緩和まで進めるということは、「仲介」では事業承継が遅々として進まない現状があるということでしょう。
地銀という地方では大手資本による「買収」を認め、地銀の天下り人材を活用し、一定期間の経営をさせた上で、ブラッシュアップし売り先を見つけて売却する。
そうすると、地銀が買い取る株式、その後売却する株式の金額決定方法を決めておく必要がありますね。地銀がこれ幸いとばかりに、昔でいう「ハゲタカファンド」になりかねません。
安く買って高く売るのはビジネスとしては当たり前ではありますが、緊急避難として行われる一時的な買収から多額の利益が得られていいはずがありません。
このあたり、どのようなルールになるのか注視したいところです。